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不育症とストレス

着床はするけれど何らかの理由で成長が止まってしまう方を不妊症ではなく不育症と言いますが、本日は不育症について考えていこうと思います。

不妊症はよく聞くけど不育症の人も結構いるの?

少ないけども常に不育で悩む方はも来てる印象かな。

目次

流産を繰り返すツラさ

赤ちゃんが欲しいと思い妊活を始めてすぐに妊娠する方もいますし、体外受精まで進む方もいると思います。そんな矢先妊娠検査薬が陽性になったり、病院の判定日にhCGの数値がある程度出ると何とも言えぬ安心感と喜び、この先無事に育ってくれるかどうかの不安が入り混じると思います。そうですね、先は分からないけれど陽性になった時点でお母さんとしての気持ちが湧いてくる…妊娠って不思議なものです。

これまで着床はしたけれど胎嚢が確認できなかったり、心拍が確認できないなど受精卵の問題で成長が止まってしまう方が多かったですが、中には子宮の問題だった方もいました。私が担当した患者さんの中には12週以降の流産は今のところいませんが、安定期に入ってからの流産…そして死産などもこの仕事をしていると耳にします。

厚生労働省が不育症と定義しているのは以下の内容です。

「妊娠はするけれど 2 回以上の流産・死産もしく
は生後 1 週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」、 つ
まり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、 習慣流産(上記2)、 3)) に加え、
死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて 「不育症」 と定義しています。

厚生労働省 不育症相談マニュアルより

※上記 2)、3)は 2)習慣流産、3)反復流産です。

淡々と文字が連なっていますが、不育症と診断されている方は繰り返し妊娠が終わるつらさを経験していることを考えると、本当に辛い経験をしてきたなと思います。すべての方が私の考えに当てはまることはないと思いますが、少しでもつらいお気持ちが報われてくれたらいいなと願います。

不育症の原因

不育症の原因として考えられるものとしては

  1. 受精卵や胎盤の遺伝子の問題
  2. 子宮内膜の問題
  3. 子宮筋の問題
  4. 子宮の形の問題
  5. 血液・ホルモンの問題

こんな感じに分かれるかなと思います。

ご自身のお体の中で赤ちゃんの成長が止まってしまうため、あの行動が悪かったのかな…あれをしなかったのが間違いだったのかな…などご自分を責める方もいらっしゃると思いますが、行動やメンタルの影響で成長が止まったりすることは考えにくいと思います。もちろんお医者さんから安静指示が出ているところ、安静にしていなかったことで出血が起こることなどはあるかもしれません。しかし、大半はそこで成長が止まってしまう遺伝情報だったのではないかと思います。お母さんのせいではないのです。

受精卵や胎盤の遺伝子の問題

既に遺伝子異常がある受精卵は、残念ながら着床した後に異常を取り除くことはできません。

子宮内膜の問題

上記の遺伝子異常がある受精卵を着床させてしまうことで結果的に流産となってしまうため、しっかりと見極めのできる子宮内膜になるように施術していきます。詳しくはふわふわ子宮内膜の作り方をご覧ください。

子宮筋の問題

子宮の筋肉の収縮が強い方や多い方は着床しても出血してそのまま流産となるケースがあります。鍼灸でも子宮の筋肉をケアできますし、それに関して詳しい病院でご相談していただけると解決策を提案してもらえると思います。

詳しくは着床しにくい理由【子宮筋が原因の方】をお読みください。

子宮の形の問題

子宮の形の問題ですと鍼灸では対応が難しくなります。子宮に詳しい専門医へのご相談をお勧めします。

血液・ホルモンの問題

不育症とでいらっしゃる方で一番多いのが少し血栓ができやすいかもしれないので血液を固まりにくくする薬を飲みながら妊活をしているパターンです。また最近では甲状腺の機能の問題で病院に行く方もいますので、そんな患者さんには甲状腺機能亢進・低下それぞれに合わせた鍼もします。

不育症の鍼灸

上記の原因も考慮しながら東洋医学的なアプローチを考えていきます。まず、どの時期に流産してしまうか。そして流産してしまいそうなタイミングで寝汗をかく、悪寒がする、お腹がとても痛くなるなどの症状がないか伺います。

生命力のツボ

なぜ寝汗・悪寒を聞くのかというと、東洋医学的に見て生命力のツボが弱ると出る症状なのです。ここで言う生命力のツボは腎のツボです。これまで流産の経験がある方で着床後に夏でもないのに寝汗をすごくかいたり、強い悪寒を感じその後出血があり流産となった経験がありますという方がチラホラいることに気が付きました。私たち鍼灸師は、みなさんのお体に出ている症状から体の状態を把握します。妊娠期間中の腎の弱り、妊娠初期の肝の不調に関しては不育症とも関係があると考えケアするようにはします。

また妊娠期間中にお体が耐えられるように妊娠していない時に腎を元気にする漢方を服用する方もいます。

まとめ

不育症は原因がバラバラですので、お体に合ったアプローチが重要になります。原因がはっきり分かって薬でどうにかできるのであれば、話は早そうです。しかし、大半の方は原因を見つけることが難しいため様々な方面からのお体のケアを試してみるのも1つの手かなと思います。

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