男性不妊の相談ってあるの?
私が直接男性の患者さんから相談されることは少なくて、奥さんを通じて話を聞く感じかな。
今回は初めから東洋医学的に書いていきますね。
東洋医学の男性不妊
東洋医学での男性不妊は2パターンに分かれますので、1つずつ説明します。
- 腎タイプ
- 肝タイプ
※健康診断などでの肝臓、腎臓の数値と一致はしないので切り離していただけると助かります。
腎タイプ
東洋医学で腎は生命力と直結します。若いうちは腎気(腎の元気)が旺盛ですが30歳前後から緩やかに衰え始め、最終的に腎気が無くなる=亡くなると考えています。その人が持っている生命力は生命を残す力でもあるので、妊活と関係が深いツボにもなります。
腎タイプは精子の問題が多いです。精子の検査結果が思わしくない方はこちらのタイプと考えてもらって構いません。精巣静脈瘤の方も結果的に精子をつくる機能の問題になりますので腎タイプでしょう。
腎を元気にする食べ物
東洋医学での腎の役割は水分代謝(尿の生成やむくみに関係する)、体を温める作用などがあります。腎を元気にする食べ物は水分代謝を助けるものや体を温めてくれるものが多いので、腎を助けてくれる食べ物となります。
例えば…黒豆、黒ゴマ、クルミ、白菜、冬瓜、昆布、椎茸、茄子、こんにゃく、エビ、豚肉、ハマグリ、卵など。
これらをミネラル豊富な天然塩を使って味付けするとよりいいです。
肝タイプ
肝は東洋医学ではホルモン、血と関係があります。東洋医学では血液が滞りなく流れれば問題は起きにくいですが、流れが悪くなると“瘀血”(おけつ)と呼ばれる状態になり血の影響を受けやすいところの調子が悪くなります。
なので、このタイプの男性不妊は勃起不全や射精障害(中折れ)など、陰茎に血液を送ることに問題が生じる方です。プレッシャーやストレスもこのタイプに含まれます。
肝を元気にする食べ物
肝には解毒作用もあるので“えぐみ”がある食べ物に解毒を手伝ってもらったり、滞りなく血液を送る疏泄作用を助けてくれる食べ物が多いです。
例えば…山菜、菜の花、アスパラ、セロリ、おくら、ほうれん草、ウナギ、牡蠣、ラム、梅干しなど。
肝は酸味によって働きをサポートしてもらえますので、酢の物などで食べるとより良いです。
生活の中でできること
東洋医学的な男性不妊について書いてきましたが、ここからは東洋医学から少し離れて考えていきます。
栄養を意識する
東洋医学での腎タイプに限るのですが、疲労回復を目的として鶏肉、牛肉、豚肉、納豆、エビ、カニ、ニンニク、ピーナッツなどアルギニン酸を摂取することで成長ホルモンの分泌を促し体の疲れを取りやすくします。
《おまけ1》運動を意識する
こちらはどちらかと言えば肝タイプの方に効果的な方法です。下半身の筋トレ、特に内転筋群のトレーニングによって陰部への血液の流れや肝の経絡の流れを整えます。また、股関節は肝と深く関りがあるため股関節周りのストレッチも有効です。
《おまけ2》睡眠を意識する
肝タイプ、腎タイプ共通ですが質の良い睡眠をとることは何においても重要です。精子はホルモンによって育ちますので、朝スッキリ起きられるような質のいい睡眠がとれていることが重要になります。
男性不妊で睡眠の質が悪い方がいたら、そこからアプローチするのもいいかもしれないですね。
まとめ
男性不妊は女性とは違いできることが少ない上に、“これをすればこうなる”や“これが正解”が明確ではありません。どちらかと言えば制限の方が多いので取り組むのも大変だと思います。いつもと違う考え方として東洋医学を取り入れてみるのはいかがでしょうか。